その数字は、実測か予測か
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- 47%・60%・57%という3つの数字を出典に戻って見比べます。
- どれも予測であり、著者自身が但し書きを添えていました。
- 数字を実測・予測・試算に仕分ける道具を受け取れます。
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その数字は、実測か予測か
こんにちは、しゅうへいです。AIで仕事がなくなる、という話を、毎日どこかで見かけます。そこには必ず大きな数字がついてきます。47%、60%、57%。この3つは、見た目は似ていますが、中身も前提もぜんぶ違います。今日は、数字を見分ける道具を1つ渡します。この動画を撮っているのは2026年7月です。ここから出す数字には、全部その時点を添えていきます。
47%の正体:2013年のオックスフォード論文
まず47%です。2013年9月に、オックスフォードの研究者2人が出した論文の数字です。アメリカの702の職業を分類して、全雇用の約47%が高リスクに入る、と書かれています。これは実測ではなく、予測です。しかも、但し書きを置いているのは著者自身です。実際に自動化される雇用の数を推計する試みは一切していない、と本文に書いてあります。年数も不特定で、おそらく10年から20年、という書き方です。そして、新しく生まれる職業は計算に入れていません。つまり47%は、消える人数を数えた数字ではないんです。
60%の正体:IMFの2024年予測
次に60%です。IMFが2024年1月に出した資料の数字です。世界の雇用の約40%、先進国では約60%が、AIの影響を受けうる範囲に入る、と書かれています。この「影響を受けうる」は、消えるという意味ではありません。AIができることと、その仕事に必要な能力の、重なりの度合いのことです。そのうえでIMF自身が、先進国の60%のうち、およそ半分は生産性が上がる側だとしています。これも予測です。
57%の正体:マッキンゼーの2025年予測
3つ目が57%です。マッキンゼーが2025年11月に出したレポートの数字です。今実証されている技術だけで、アメリカの労働時間の約57%は理論上自動化できる、という内容です。ただ、同じレポートの中に、これは雇用喪失の予測ではない、と書いてあります。普及には数十年かかりうる、とも書いてあります。これも予測です。大きい数字のほとんどは、技術的にありうる上限を示したものであって、失業の予測ではないんです。これは批判側の解釈ではなく、出した本人たちがそう書いています。
答え合わせ:OECDの実測データ
答え合わせもあります。同じ47%を検証した、OECDが2021年5月に出した調査です。21カ国すべてで、雇用はむしろ増えていました。これは実測です。ただし中身を見ると、自動化の高リスクとされた職の雇用の伸びは6%、低リスクの職は18%でした。消えるというより、伸びないという形で差が出ていた、ということです。ぼくがこの話でいつも思い出すのが、パソコンが職場に入ってきたときのことです。1970年代から80年代にかけて、パソコンが入れば司書の仕事はなくなる、と言われていました。実際に増えたのは、パソコンを使える人のニーズのほうでした。
持ち帰り:実測・予測・試算を仕分ける
今日の持ち帰りは1つです。数字を見たら、まず3つに仕分けます。実測、予測、試算。実際に測ったものか、これからの見通しか、誰かが計算したものか。この3つが混ざったまま語られているときは、たいてい話が盛られています。この講座で出す数字には、毎回このどれかを添えます。そこだけ持って帰ってもらえたら、それでいいです。
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